力餅

 力餅の歴史は、戦国時代(千六百年頃)にさかのぼる。
 七条の城主、出羽守兼仲公(でわのかみ かねなか)は大山観世音菩薩に「向一倍の力を授け給え」と二十一日間深夜参詣をして、近郷に比類なき怪力を授かった。      
 兼仲公は御礼として、自ら九輪の石塔と鏡餅を山麓より背負い上げ奉納したのである。時の住職は本尊観世音菩薩のあらたかな霊験と兼仲公の豪力に大層感激し、後世までこの話を伝え残そうと、大山観音さまへの奉納力餅運びを始た。当時、大鏡餅は兼仲公が毎年寄進をしている。
 後に大山寺が阿波藩主蜂須賀公の祈願所になってからは、武運長久の願いを込め、代々の藩主が奉納されたそうで、初会式には藩主、又はその代理のものが力自慢の家臣を引連れ大鏡餅に挑戦させたのである。

 毎年1月の第三日曜日に豪傑が集い大きな鏡餅を運ぶ「力餅」が開催されます。

力餅